(※このページは2022年7月13日に更新されました)
バレエ団オーディションに勝つためには!元バレエ団員が解説します!
将来はバレリーナになりたい!
海外のバレエ団で活躍したい!
そんな夢をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
今回は実際バレエ団員として働いていた私が、オーディションで重要視されるポイントについてご説明します。
私自身海外オーディションでは大変苦労しました。
その過程を経て、身についた技術や対策をこれからオーディションを受ける方に事前に取り入れてほしいと思っています。
書類審査から優劣は始まる
日本では経歴を重視されます。
バレエ団などでも一緒で、まずは経歴を見てそこからオーディションというのが一般です。
特に日本では所属先の教室、師事した先生などを細かくチェックが入ります。
バレエ団の責任者とバレエ教室の先生の年齢が近い場合は面識があったり、狭い世界でもあります。
バレエ団のオーディションを受ける方は、芸術監督やミストレスの経歴、バレエ団に関係している教室まで調べるのがいいと思います。
そのくらいバレエ団とバレエ教室の関わりは大きく、逆にいうと教室がバレエ団とパイプがあるとスムーズに入団できるケースもあります。
これはもちろん先生同士の繋がりも影響します。
今からバレエを習って、バレエ団に入りたい方は教室選びから慎重に行うことをおすすめします。
最寄りの駅から審査は始まっている
なかなかこのような記事を書く人はいないのではないでしょうか。
というのも、私自身がオーディションを手伝う時に審査員の先生から聞いていた話なのですが、
駅前で、態度の悪い子がいた!
ゴミをポイ捨てしてる人がいた!
道中で座ってタバコを吸っている人がいた!
これらの話を聞いたからです。
もちろん、「それバレエダンサーじゃないでしょ?」
と、そう思いましたがご存知の通りバレエダンサーは一般の人とは違い、歩くだけでダンサーとわかるくらい特殊です。
せっかく遠くからオーディションに来て、レッスン審査の前で評価が下がってしまうのは得策ではありません。
いつ、どこで、誰に見られているかわからないので、外での見られ方には気をつけましょう。
声を出してしっかり挨拶する
これはどこの企業においても当たり前のことですが挨拶をしっかりしましょう。
オーディション当日は、バレエ団によってはバレエ団員がスタッフ側に回ってるケースもあります。
受付作業をしていたり、オーディションの進行役をしていたりするので、
全てのスタッフにハキハキと挨拶をしましょう。
また、更衣室などは綺麗に使い荷物が散乱しないように気をつけましょう。
時期によってはスタジオに入るまでに体が冷えてしまうこともあります。
上着などを準備してパフォーマンスに影響がないように工夫しましょう。
ここで一つポイントですが、スタジオに入る際は上着を脱ぎ、先生方が既にスタジオにいる場合は挨拶をして入室しましょう。
踊りは公平に審査されますが、しっかり挨拶を行うことで顔を覚えてもらい、
好感を持ってもらえます。
バレエ界は上下関係が厳しく、礼儀やマナーが伴っていない人はバレエ団でもすぐに干されキャストに入ることはありません。
十分に気をつけてください。
バーレッスンでは、アンバーからスタート
バーレッスンでは音がかかる前にバーを持って待つのはやめましょう。
アンバーからスタートすることをオススメします。
また右側が終わり次は左側の準備をすると思いますが、必ず持っているバーの方向を経由して反対側を向きましょう。
バレエでのマナーなので注意してください。
アンシェヌマンについてですが、必ず決められた通りにしましょう。
振り付けを自分勝手に変えてしまうことは減点なので、指示通りに踊りましょう。
また、音をしっかり聞きリズム感は大切にしてください。
センターレッスンでは距離感を大事にし踊りに余裕を持たせる
オーディションでは多くの方と一緒にレッスンすることになります。
基本的には番号が振られていて、
「何番から何番前で!」
など指示が飛んでくると思います。
この時に大切なのは、たとえ審査員の目の前じゃなくてもしっかりと見られている意識を持つこと。
また、ダンサー同士のスペーシングを把握できているかなども見ています。
センターレッスンでは自分をアピールするポイントでもあるので、状況に応じて強みを活かしましょう。
またアダージオからアレグロ、グランワルツやポアントまで審査の対象になっていることもありますが、一貫して行っていただきたいのが踊りに余裕を持つこと。
踊っている時の表情も審査の対象です。
難しいことを簡単に見せるのがプロですので、余裕にできるよう準備しましょう。
踊りについて注意すること
踊りについて注意することは、音が始まる前から準備し音が終わるまで気を抜かないこと。
また、普段とは先生が異なるのでレッスンのアンシェヌマンが大幅に違ってきます。
初めてするコンビネーションもあると思いますが、すぐに覚え自信を持ってやり切ることです。
出来なくてヘラヘラしているのは論外なので、そこは気をつけてください。
対策としては、オープンクラスを受けたりして他の先生のアンシェヌマンに触れておきましょう。
普段習っている先生のアンシェヌマンだと、どうしても似通ってくる部分があるので勉強の一環としてレッスンに行くのをオススメします。
オーディションでは基礎に忠実で、テクニックも安定してるなどは当然のことなので、他のダンサーと違いどんな付加価値を提供できるかということになります。
音を絶対外さないことや、丁寧で芯のある踊りなど自分の強みを探してみてください。
個人的にはアームスの使い方が綺麗な人はバレエ団でも重宝しますし、ダンサーとして尊敬できます。
まとめ
バレエ団のオーディションでは踊りの他にも見られているところがあります。
礼儀やマナーを守り、オーディション当日は全てを出し切り、悔いの残らないようにしてください。
バレエ団にはカラーがあるので、たとえ完璧に踊れたとしても募集していたタイプと違えば容赦なく落とされます。
私も海外のバレエ団のオーディションを受けたとき最終審査まで行き、審査後にアジア人はいらないと言われたことがあります。
最初から分かってるなら言ってくれたらいいのにと思っていましたが、今ではいい思い出になっています。
その悔しい思いがあったからこそ、その後プロとして誇りを持って踊ることができたからです。
楽しく踊ることがダンサーのモットーなので、オーディションも楽しむことがいいと思います。
秋風清晴
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