(※このページは2022年7月19日に更新されました)
【大人バレエダンサーがおさえておきたい基礎!これを意識すると踊りが激変します】について元バレエ団員である私が解説をしていきます。
以前まで大人の方のクラスを担当していたりパドドゥクラスなどを行なっていたのですが、上達が速い生徒さんにはある共通点がありました。
それは紛れも無く基礎レッスンに力を入れていること。
今回は大人のバレエダンサーにこそレッスンで意識してほしいことをお伝えします。
アームスの通り道を正確にする
まずはアームスの動きについてです。
足のポジションなどが一番に挙げられそうですが、バレエにおいて手の使い方はとても重要です。
元々バレエには言葉がなく、上半身の表現だけで物語を伝える必要があります。
なので、上半身の使い方が正しくないと綺麗にまとまらなく全体的なクオリティーを下げてしまいます。
私がレッスンを見るときは、特に肩甲骨を意識したアームスの動きを重要視しており上半身の動きが小さくならないように注意してもらっています。
アームスの動きで注意してもらいたいのが正しい導線を通ること。
正しい導線を通って、正しい場所に戻ってくること。
これだけで踊りのクオリティーは格段に上がります。
というのも、プロのバレエダンサーですらアームスが出来ていない方が多いからです。
レッスンでの意識が上半身に向いた時点で必ず変化は出てきます。
バーレッスンでのプレパレーションではアンバーから初めてアンバーに終えるのを習慣化しましょう。
その時点で講師からや周りからの見られ方は変わります。
腕の使い方が綺麗なダンサーはとても魅力的で、プロでも使いこなせている人は少ないのでぜひアームスの使い方に意識してみてください。
足のポジションは土踏まずを意識
足のポジションで一番注意してほしいことは土踏まずが上がっているかです。
この記事を見ている方はまずはバレエシューズの裏を見てください。
バレエシューズの裏はどうなっていますか?
リノリュームが極端に汚れていない限り真っ黒ということはないと思いますが、
シューズの一定の部分が汚れていませんか?
この時に土踏まずの上が汚れていたらレッスンのやり方を見直す必要があります。
土踏まずが潰れていてそこが、汚くなると言うことは足の使い方が間違っていると言うことです。
一番ポジションからタンデュでドゥバン(前方)に出してみてください。
この時に土踏まずが潰れているのであればさらにポジションを意識した練習が必要になります。
土踏まずが潰れたままレッスンをしてしまうと間違ったポジションにもなりますし、足に負担がかかってしまい怪我をしやすくなります。
普段のポジションを見直すだけで踊り方は大きく変わり動きやすくなるのでぜひ意識してみてください。
自分の可動域を知る
アームスのポジションときたら次は足のポジションと思いがちですが、まずは体の状態を知る必要があります。
一番ポジションで立った時に土踏まずは上がっていますか?
体を無理に開こうとして骨盤が後継していませんか?
つま先と、膝の角度は同じですか?
少し例を出しただけでもたくさんのチェック項目があります。
なぜこのようなチェックをしてほしいかと言うと理由が3つあります。
・まずは自分の体を知ることで、最適な練習メニューを組むことが上達の鍵になる
・怪我の防止ができ効率的に練習の時間を確保できる
・体によって個人差があり、向き不向きの技術を明確にする
以上の3つがあげられます。
これらについても詳しく解説していきます。
自分の体を知ることで、最適な練習メニューを組むことが上達の鍵になる
人によって練習メニューや課題は違ってきます。バレエでは基礎レッスンを繰り返し行い、体を作ることでさらに新しい技術などを習得していきます。
逆を言うと、技術を習得できるレベルに達していないのにそれに対する練習をいくら行なっても時間を無駄にしてしまうからです。
現状のレベルや体の状態を見て正しいレッスンメニューを組むことが重要です。
怪我の防止ができ効率的に練習の時間を確保できる
体の状態を把握していないと、無理な技術にも挑戦してしまいます。
挑戦すること自体が悪いことだとは言いませんが、それにはリスクを伴います。
バレエは運動強度がとても高いので、一歩間違えると大きな怪我をしてしまいます。
バレエダンサーの寿命は短いと言われており、その間に怪我をしてしまうとせっかく積み上げてきたものが意味をなさなくなります。
自分の体と向き合い怪我をしないようにレッスンを行うことが大切になります。
個人的にはこの怪我をしないように踊ることが踊りを激変させる上で重要だと考えています。
体によって個人差があり、向き不向きの技術を明確にする
どうしてもバレエをしていると骨格の問題などで技術の向き不向きが出てきます。
ピルエットにおいて右側は回りやすいけど左側は回れない。
顔が上手く使えない。
片方の足だけが上がらないなど日常生活が影響することで体の状態が変わっているケースもあります。
向き不向きを明確にすることはいいことで、それが明確になるとそれの対処が判明します。
要は、自分のできないことを認識してレッスンすることで飛躍的に伸ばすことができるといったことです。
バレエにおいて得意分野を伸ばすより、苦手な分野を克服する方が自信が付きます。
また苦手な分野がない人は優れたダンサーの条件で、どこに行っても通用するでしょう。
人の動きを盗み、常に疑問を持ち続ける
これはとても大切です。
私も現役時代に人の技術を勉強し、吸収できるように励みました。
自分にできなくて、他の人にできるのはなぜだろう?
常に疑問を持ち続けることが大切で、技術の向上においては必要不可欠です。
ですが、注意してほしいのはあくまで疑問を持つだけであって、自分に自信がなくなるまで思い悩んだらいけないことです。
あの人が出来ているのになんで自分には出来ないんだ
そう考えてはいけません。バレエはメンタルを強く持つ必要があるのであくまで向上するための疑問として考えましょう。
少なくともみんな何かしらの課題があり、それを乗り越えるために考えるか、考えることをやめるかの二択なので考えることを諦めないでいただきたい。
出来ている人の動きを見て、それを自分に置き換える。出来なければまた違う人を参考にする。
それの繰り返しでバレエ技術は向上します。
話などを聞いて学ぶことも時には大切ですし、学ぶ姿勢を忘れないでください。
何度も壁に当たる人が伸び代がある人なので、自信を持ちましょう。
まとめ
今回は大人バレエダンサーがおさえておきたい基礎についてでした。
プロとして踊っていて痛感したことは基礎は裏切らないと言うことです。
基礎が綺麗な方は動きが美しく、怪我をしないので安定感が違ってきます。
また基礎はテクニックにも応用され、技の精度を底上げします。
毎日のレッスンで基礎を磨くことで、踊りは激変するのでぜひ取り入れてみてください。
秋風清晴
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