(※このページは2022年7月27日に更新されました)
骨盤を整えるためのストレッチについて解説します。
私は元々バレエ団員としてバレエ団に勤めていました。
バレエ団では激しいリハーサルで怪我人が続出し、日常的にキャストの変更があります。
そんな中、どういった人が怪我をするのかを観察していると、ある共通点に気がつきました。
それは骨盤に歪みが出てきて、それでも無理に練習を重ねている人でした。
バレエにおいて骨盤の動きの重要性は周知されていますが、客観的にみないと自分の動きが分からないといったこともあり調整するのが難しい部位でもあります。
踊る感覚が変わった、踊りにくくなった、腰が重くなったなど骨盤が歪むことにより腰痛などでも悩まれる方もいるので、常に骨盤を調整する必要があります。
今回は踊りの基盤でもある骨盤を整えるストレッチについてですが、痛みや辛さが出る前にストレッチをすることで怪我の予防もできるのでぜひレッスン前やレッスン後にストレッチを行なってみてください。
骨盤後傾を治すストレッチ
まずはこの写真をご覧ください。
左側は正しい姿勢で右側が骨盤が後傾している状態です。
骨盤後傾の特徴は猫背や肩が前に出ることでお尻が垂れたり、お腹の下部がぽっこり出てきたりします。
また、骨盤後傾は筋肉が硬くなることでも影響が出てきます。
主に関係してくる筋肉は臀部(お尻)とハムストリングス(もも裏)です。
まずはお尻のストレッチについて解説していきます。
臀部ストレッチ
まずは臀部のストレッチです。馴染みがあるよう以後はお尻と呼びます。
お尻の筋肉は腰と付着していてるため、骨盤の動きに大きく関係してきます。
上記の写真のように伸ばしたいお尻側の足を反対側の膝上にセットします。
そのまま上体を少しずつ前に倒していきます。
この時に呼吸は止めないようにしっかり吐きながら倒しましょう。
15秒3セットを目安に行いますが、レッスン前やバーレッスンとセンターレッスンの合間にストレッチを入れるのも効果的です。
ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングスの筋肉が硬まるとお尻の筋肉も同様に硬くなります。ハムストリングスは以後もも裏と言います。
もも裏が硬くなることによりお尻の筋肉まで影響がいき骨盤をさらに後傾させてしまいます。
骨盤後傾させないためにもしっかりストレッチをしましょう。
上記の写真のように仰向けで伸ばしたい方の足を手で胸の前に寄せてきます。
この時に注意するのが、反対側の足の膝が外に向いたり、中側に入り込まないようにしてください。
膝の位置は肩のラインに合わせてセットしましょう。
骨盤前傾を治すストレッチ
この写真からもわかるように骨盤が前傾(反り腰)してしまうことにより腰のアーチが強くなり腰痛の原因になってしまいます。
骨盤前傾すると下半身太りになったり、太ももの張りやでっ尻にも影響してきます。
骨盤前傾に大きく関係してくる筋肉は腸腰筋(深腹筋)と、大腿四頭筋(前もも)です。
まずは腸腰筋のストレッチをお伝えします。
腸腰筋のストレッチ
腸腰筋とは腸骨筋、大腰筋、小腰筋の3つから出来ている深腹筋です。
その中でも腸骨筋は骨盤と付着があり、それが硬くなることで骨盤を前傾させてしまいます。
腸腰筋のストレッチでは上記の写真のように前脚を前方にセットします。
片膝立ちのままゆっくりと前の膝を曲げていきます。体幹が前に行きすぎたり、後ろに反り返らないように注意してください。
大腿四頭筋のストレッチ
体の中でも特に大きな筋肉なので、硬まることで骨盤に大きな影響が出ます。
ストレッチのやり方は、写真のように床に寝ながら行うのが簡単です。
片膝を曲げてゆっくり上体を後ろに倒しましょう。
呼吸を止めないように行うことで効果的に伸ばすことができます。
お風呂上がりや寝る前に行うことで、副交感神経が優位に働くので試してみてください。
まとめ
今回は骨盤が整うためのストレッチについて解説しました。
バレエ団時代怪我をする人が続出し、キャストの変更が常に起こっていました。
そんな中、リハーサルを重ねていると必ず怪我をする人が決まってきたこともあり、
レッスン中にも原因を探るため観察を続けました。
怪我をする人はストレッチはあまりしないこともありましたが、骨盤が歪んでいるのが原因で激しいリハーサルを乗り切ることができませんでした。
これからも現役のダンサーが怪我を理由に引退などしてほしくないと思っています。
体のケアや体作りにおいての記事も書いてあるのでぜひ参考にしてみてください。
秋風清晴
コメント