(※このページは2022年8月6日に更新されました)
今回はバレエ初心者の方に向けたピルエットのコツを元バレエ団員が解説します。
綺麗にダブルが回れない
回っている最中にホップしてしまう
顔の付け方がわからない
など、ピルエットに関する悩みを持っている人もいるのではないでしょうか?
私がピルエットで意識していることや、実際指導の時に注意しているポイントを上げていきます。
ぜひ最後まで読んでピルエット上達の鍵にしてください!
綺麗に回る時に注意してほしいこと
綺麗に回る時に特に意識してほしいのが以下の4つです。
パッセを高く保つ
ルルベが低くならない
アームスをまとめてくる
横隔膜が開かない
この4つが綺麗にピルエットをする上で特に重要になります。
次はこれら4つをさらに細かく説明していきます。
パッセを高く保つ
ピルエットの練習をする時に特に注意をしているのが、パッセを高く保つことです!
「ほんとにピルエットに関係あるの?」と
あまりピンと来ない方もいると思いますが、これを意識するだけでピルエットの精度は大きく変わります。
パッセを高く保つように意識するとピルエットを終える時にパッセのままキープすることが可能になります。
よくピルエットをしていて、そのままパッセでずっと止まっている人を見たことありませんか?
その人たちはパッセを高く保つことを意識してピルエットをしています。
理由としては、パッセを高く保つことで軸足まで引き上がるためです。
ピルエットを綺麗に回るコツの一つとしてパッセを意識することは非常に大切なのでぜひレッスン時に意識して行なってみてください。
ルルベが低くならない
二つ目はルルベが低くならないように意識することが重要です。
ルルベが低いことで、重心が下がるため体が引き上がりません。
特にバレエではルルベが低いと綺麗と判断されないため、普段のレッスンからルルベを高くする意識を持たなければいけません。
先ほどのパッセを高く保つことと、ルルベが低くならないことにはとても関連性があります。
ルルベが低くなるとパッセでキープすることも難しくなり、パッセが低いとルルベまで影響が出てしまいます。
逆に考えると、ルルベが高くなると自然にパッセが上がりやすくなるのでピルエットの精度が跳ね上がります!
綺麗なピルエットをする際にこの二つはセットになるので、忘れないように練習してみてください。
私も本番中に意識することで、ピルエット後にパッセでキープすることも多くなりパフォーマンス能力が上がったのでおすすめです!
アームスをまとめてくる
三つ目はアームスについてです。
普段アームスに関して何か注意していることはありますか?
ピルエットを綺麗に回る上で上半身を意識することは必須です!
なぜなら、ほとんどの失敗の原因は上半身と言っても過言じゃないからです。
ピルエットの時のアンナバンをイメージしてみてください。
そのまま、両足をついたまま回りたい方向に回ってみてください。
ある程度勢いがついてくると、アームスが遠心力の影響で肘が下がったり、遅れてくるのを確認できると思います。
基本的にはこれを修正しないと綺麗にピルエットを回ることは困難です。
まずはピルエット時にアームスがしっかり胸部の中心にきているかを確認しましょう。
そして回っている最中はアンナバンが広がらないように注意してください!
ピルエットでは自然とアームスが開いたり、アームスが遅れてくるものなので常にアームスが中心にあることを意識してください。
ダブルやトリプルならアームスが遅れていても多少コントロールすれば修正できている人もいますが、後から修正するのではなく、最初から意識することの方が遥かに重要です!
ピルエットの途中で修正すると、バレエ経験者にはすぐに分かります。
私も現役時代はピルエットが好きで、いろいろなテクニックをしてきましたが綺麗にシンプルなピルエットをすることが一番美しく、評価も高いです。
目先の華やかさではなく、基礎を追求することがピルエット上達のポイントになってきます。
横隔膜が開かない
四つ目は横隔膜です。
「お腹開かない!」「お腹しめて!」
とバレエスタジオで響き渡っていると思いますが、横隔膜を意識することは大切です。
横隔膜が開くと回っている最中に体が反ってしまったり、重心が逃げやすくなるので、ピルエットを綺麗に回るためには横隔膜を改善する必要があります。
細かい話になると横隔膜や胸郭、肋骨は関係性があり猫背になったり筋肉が硬まることで横隔膜にさらに影響が出てしまいます。
まずは横隔膜が開かないようにする必要があるので、それに関係してくる胸の筋肉や鎖骨周りの筋肉、前鋸筋などををケアすることで横隔膜は開きにくくなります。
簡単に説明すると、お腹を開きやすくしている原因はお腹以外の筋肉が硬まっているので、
それらの筋肉をストレッチすることでお腹が開きにくくなる。といった話です。
お腹が開いてしまうのには原因があって、それを改善しないとお腹が開く癖はずっと続いてしまいます。
お腹を意識してと言ってくれる先生はいても、なぜ開いているかを説明してくれる先生はあまりいないと思うので、しっかり把握しておくことが大切です。
正しいケアをして横隔膜が開かないようの練習していきましょう。
回っている最中にホップしてしまう
これはピルエットを練習している人の中でも特に多い悩みなのではないでしょうか?
ホップしてしまう原因は、反り腰やふくらはぎの弱さが課題に上がります。
ピルエットでは回っている最中に中心軸がズレてきた時に自然と修正をしようとします。
基本的に背中やアームスを使って修正は行われますが、反り腰のままピルエットを行なっていると重心がズレた時に大きく修正が入るため、それがホップの原因の一つだと考えられます。
またコントロールには足の力が必要になります。
中でも重要なのがふくらはぎの筋肉で、ルルベをする時などに力を発揮します。
ふくらはぎの力が弱いと体が全体でカバーしようとするので、それがさらにホップの原因を作ってしまいます。
対策としては、まずは高いルルベを作る過程でふくらはぎを強化しましょう。
そして反り腰や、猫背であった場合はそれらを矯正してピルエットが回りやすい環境を整えることが大切です。
顔の付け方がわからない
ピルエットで顔の付け方がわからない、ピルエットが怖いと感じている方もいると思います。
ピルエットでは基本的に顔をつけることで平衡感覚を調整します。他にはアームスなども使いさらに調整はしますが、大きな部分では顔の働きが大きく影響します。
そもそもが、バレエをしていない人以外は日常生活で回ったりなどしないため、最初は怖くて当たり前です。
ピルエットをすることは最初は怖く感じますが、正しく練習を重ねると克服されるので安心してください。
ピルエットのコツはまずはシェネやペアテが有効です!
まずは動いていることに対して頭が慣れないといけないので、この二つをおすすめします。
個人的にはシェネを推奨していて、顔の付け方と一緒にアームスのまとめ方も練習することができます。
シェネでは顔の付け方やアームスのまとめ方。ペアテでは軸足の使い方とアームスをまとめるタイミングをそれぞれ意識するとより効果的に練習することができます。
顔をつける時に気をつけてほしいのが、顔ではなく首を意識するということです。
練習前に事前に確認してほしいのは、直立した状態で首を左右に回します。
この時に頭が中心からズレたり、大きく弾まないように注意してください。
正しく首をつけて回っても、頭がズレたりしていると改善が難しくなるので癖がつく前に正しいポジションを覚えましょう。
おすすめの改善法を一つ紹介します。
枕を使用しないでに床に寝ます。
そのまま顔を左右に回し首周りの筋肉をほぐします。
こうすることで、首が前に行くことを防ぎ、変な癖をつくことを回避できます。
ぜひレッスン前に行なってみてください。
まとめ
今回は初心者の方に向けてのピルエットのコツについての解説でした。
ピルエットのコツは大きくまとめると、
- パッセを高く保つ
- ルルベが低くならない
- アームスをまとめてくる
- 横隔膜が開かない
- 反り腰や猫背を改善しふくらはぎを強くする
- 首の使い方を正しく使う
これらのことに意識するとピルエットの精度は格段に上がります。
普段のレッスンから意識し、しっかり改善してみてください!
また、下記ではピルエット上達についてのペアテのやり方や、バレエ初心者に向けたバレエ基礎についての記事を書いていますのでぜひ参考にしてみてください。
秋風清晴
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